今回は「文章を書くのが苦手!」という人に向けたトレーニングのご紹介です。

パソコンで文章を書くビジネスマン

普段の仕事でも文章を書く機会というのは意外と多いものです。
取引先や社内へのメールの文面、新しい規則・制度の案内文、企画書の説明などなど…

資格試験でも中小企業診断士の二次試験は100~200字程度の記述問題ですし、
ITストラテジストの午後Ⅱ試験は3000字の論文試験です。

そんなビジネススキルとして重要視される文章力。
トレーニングの一つの方法として春秋要約をご紹介します。

春秋要約ってなに?

春秋要約とは、日経新聞のコラム「春秋」を40字以内でまとめるというトレーニングです。

春秋は日経新聞1面の下部に毎日掲載されている500~600字のコラムで、日経電子版であれば無料で読むことができます。
それを筆者の主張となるポイントを抜き出して40字にまとめます。
まとめたらTwitterでハッシュタグ#sjyouyakuをつけてツイートするだけです。

毎日10分程度、簡単に継続できるトレーニングです。

例えば、2020年4月11日の春秋要約は下記のようになります。

春秋

▼幕末の日本はコレラが断続的に流行した。鎖国が終わり、外国との交流が増えたことが背景にある。対策に尽力した一人が適塾の創始者で天然痘の予防接種を広めた蘭方医、緒方洪庵だ。患者の処置法に関する書物を短期間で抄訳し、「虎狼痢(ころり)治準(ちじゅん)」という冊子にした。

▼幕府も洋学の研究機関である洋書調所に、コレラなど流行病の感染防止法をまとめたオランダの医師の著書を翻訳させた。「疫毒予防説」の名前で刊行している。部屋の中の空気の通りを良くし、体や衣類は清潔に保って、適度な運動を心がけよといった内容だ。日本でも近代的な感染 症対策が広がり始めたころであった。

▼緊急事態宣言を出して新型コロナウイルスの抑えこみに力を入れる今の日本の状況も、当時と重なるところがある。建物の中では十分な換気が欠かせない。ちょっとした毎日の運動で免疫力を落とさないようにすることも医師が推奨している。そうした感染防止策の基本は、すでに160年ほど前に示されていたといえる。

▼大正期のスペイン風邪の大流行では政府が、大勢が集まりそうな所には立ち入るなと呼びかけた。新型コロナ対策でも同じことが叫ばれている。感染が収束後は、ウイルスを抑える基本動作が世の中から忘れられたようになるのがもどかしい。学習効果をもっと上げられないかと教育者でもあった緒方洪庵なら言いそうだ。

日本経済新聞 2020年4月11日「春秋」より

【4/11春秋要約】

感染症防止策の基本は160年間変わらないが繰返す流行に学習効果を感じずもどかしい。#sjyouyaku

要約した後は要約をツイートしたら#sjyouyakuでハッシュタグ検索し他のツイートを確認してみてください。
同じ文章を要約しているはずなのに自分の要約と異なるものが多いと思います。

他のツイートを参考に

  • 「多くの人が主張と捉えているポイントは何か」
  • 「自分の要約に抜けている観点は何か」
  • を振り返り、翌日以降の要約をブラッシュアップしていくと効果的です。

    まとめ

    私は約2年ほどこの春秋要約を続けています。

    春秋要約を通して感じるのは、同じ文章でも人によって受け取り方が本当にバラバラなこと。

    「自分の考えを正しく受け取ってもらうにはどう伝えると良いのか」を考える良いトレーニングの場になっています。

    文章を読んで、主張を読み取り、要約して伝える。
    ビジネスコミュニケーションの基礎となる部分ですね。

    「春秋要約」ぜひ試してみてください!

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