先日、宮城県中小企業診断協会の研修がありました。
テーマは「組織・人事」について。
会長の酒寄久美さん自らが講師を務め、熱の入ったお話しを聞くことができました。
「組織・人事」の中でも特に「人材育成」は、中小企業の経営者を中心に悩みの多いテーマではないでしょうか?
今回は、研修の内容も踏まえながらこのテーマについてまとめたいと思います。
「やれ!」と叫ぶだけでは動かない
「組織・人事」を考えていくうえで大切なことが2点あります。
それは
ということです。
従業員は一人ひとりが異なる個性を持ち、自由な意志と感情を持っています。
その感情を無視して、経営者が従業員に対して「やれ!」と大声で叫ぶだけでは従業員はなかなか動いてくれません。
経営戦略に対しての理解が、経営者と異なるからです。
もし一回目は動いたとしても、それは「叱られたから」動いたものでやがて叫ぶまで動かない組織になってしまいます。
ではどうすれば良いのでしょうか?
答えは「やり方を教える」ことです。
当たり前と思われるかもしれませんが従業員がやらない理由のほとんどは「やり方が分からないから」です。
決してサボりたいわけではなく、教育やマニュアルが整備されてない または、自分の能力の範囲外のことを指示されたためです。
『会社の利益に貢献しているのは2割の優秀な従業員』
という話は聞いたことがあると思います。
残りの8割は利益への貢献の仕方が分からない従業員です。
経営者の指示をすぐ理解できない人の方が圧倒的に多いのです。
そんな従業員に動いてもらうためには具体的な行動を示す必要があります
具体的な行動に落とし込むことで 従業員全員が理解できるようになり、全体の底上げにつながっていきます。
組織・人事戦略は、従業員たちに 経営者の意思決定を浸透させていく手段だということですね。
組織マネジメントとは
組織をチェックする時に参考にしたいのは、バーナードの組織の3要素です。
バーナードは以下の3要素がそろってはじめて 「集団」ではなく「組織」が成立すると言っています。
この3要素が欠けていたり、不十分だったりすると組織が成り立たず 経営戦略を実行することは出来なくなってしまいます。
例えば、今年開催されたラグビーワールドカップ。
日本代表ブレイブブロッサムズは、
結果、強豪チームを次々と破りベスト8の歴史的快挙を成し遂げました。
組織の3要素をマネジメントしていくには 「成果」と「プロセス」を測定できるようにし、フィードバックすることが大切です。
さらに、プロセスを伴った成果であれば「承認」して褒めることで 従業員のモチベーションが向上し、継続的なサイクルへと繋がっていきます。
最後に重要なのはやはり人間関係
離職理由で一番多いのは「人間関係(特に上司との)」です。
どんなに良い組織・人事制度を整備して雇用を増やしても 報連相などのコミュニケーションに基づく良好な人間関係を築けなければ辞めてしまいます。
継続して働いてもらうことが強い組織を作ることに繋がります。
組織や人事制度などのハード面だけではなく 社内文化や雰囲気作りなどソフト面もしっかり整備していくことが 良い組織を作っていく第一歩です。